国税の『聖域』 巨大宗教法人 【前編】 ~落合博実『徴税権力 国税庁の研究』より~

 10/6号の全国商工新聞の一面に、元朝日新聞記者の落合博実さんが語る税務行政の実態が掲載されたこともあって、うちの民商でもこのたび落合さんの著書『徴税権力 国税庁の研究』を参考資料として買いました。

 紅星も読んで勉強しなきゃと思い、件の本を手に取りパラパラとめくってみたところ、

んんっ!? 最後の章・第8章の題目は

 『国税対創価学会』!?

何とも気になったので、そこの部分から読んでみると、一般中小業者には容赦なく税務調査に押し入り、時には無茶苦茶な推計課税までやってくる税務署・国税庁が、こと某宗教法人には及び腰な実態が赤裸々に描かれていました。

なので、「これはもっと知ってもらいたいなぁ」と思い立ち、この機会に紹介させてもらう事にしました。


 この記事は全部引用するとすごく長くなってしまって、読むのも大変でしょうし、タイピングする紅星もしんどいので、3回に分けての記事になります。あわせてお読み下さい。

※なお、この本は2006年に出された本なので、書いてある内容から情勢が進んでいる箇所もあるかも知れませんので、予めご了承ください(もっとも、S学会に大規模な税務調査が入ったという話はついぞ聞いた事ありませんが)

 では、さっそく引用開始☆

 (この前の部分では、国税庁が警察庁の外郭団体である交通安全協会が26府県で行っていた所得隠しを摘発した事を紹介)

 ・・・徴税にかける国税当局のこうした意気込みと成果を私は評価したいと思う。しかし、同じ公益法人でも容易に切り込めない、もしくは切り込まない「聖域」がある。それは巨大宗教法人であり、中でも創価学会を難物扱いしてきた。

▼「十年間の封印」

「このペーパーは、少なくとも10年間は完全封印して、個人の勉強資料として秘匿してください」

 非自民の細川連立政権が誕生してから半年ほど経った94年初めのことだった。国税庁のある幹部から「10年間の完全封印」を条件に、一通の文書を受け取った。

 B4版で総計18ページにのぼる文書のタイトルは「著名な宗教法人の調査について」。作成は「2年(90年)4月4日 直税部」となっており、文書内のあちこちのページに散見される「秘」の捺印が、国税当局門外不出の内部資料であることを物語っていた。

 なぜこのような文書を私に渡すのか。国税庁幹部はその理由をこう語った。

「落合さん。税務調査の最大の難物は何だと思いますか?非課税の金を使える政治家と宗教法人ですよ。宗教法人の中でも、公明党が細川政権に入ったことで、その支持母体である創価学会の調査には神経を使うことになるでしょう。私は間もなく退官しますが、今後、国税が『課税の公平』をどこまで貫けるか、ウォッチしてほしいんです」

 約束した10年以上の歳月が過ぎた。公明党は94年6月の村山政権(自社さ連立)誕生で一旦は野に下ったが、5年後の99年10月、自自公連立政権発足とともに与党に復帰。それから約7年間にわたり政権の一角を占め続けている。その間、自民党は公明党頼みの選挙を繰り返し、もはや創価学会の強力な組織票抜きの選挙戦など考えられない。

 2006年春、小沢民主党が誕生すると、代表の小沢は早速、創価学会会長の秋谷栄之助と密会したが、9月には自民党総裁に就任したばかりの安倍晋三(官房長官=当時)が創価学会本部近くの関連施設で名誉会長の池田大作に面会したと報道された。この2つの会談は、現在の創価学会の保持するプレゼンスを如実に表す出来事だった。つまり二大政党制において、公明党・創価学会が、自民党と組み続けるのか、それとも民主党に鞍替えするのか。この選択こそが政権の行方、ひいては日本の将来をも左右しかねない大きな意味を持っていることを世間に知らしめたのである。

 今から16年前の90年から91年にかけて、東京国税局は創価学会本部に対し、本格的かつ大規模な税務調査を行った。結果、創価学会は23億8000万円にのぼる申告漏れを指摘され修正申告を行い、約6億4000万円の税金を納めている。

 私に手渡された「内部文書」には、学会に対する調査が、どういう狙いと方針の下に行われようとしたのか、またその後、国税当局がどのような姿勢で学会に臨むのかが明確に記されている。

 そろそろ、“封印”を解いてもいいだろう。

▼総資産は10兆円?

827万世帯の公称信者数を背景に、政権与党・公明党の母体として強力な「政治力」を保持する創価学会は、その「資金力」においても、日本の他の宗教法人を圧倒する。だが、いったい学会が一年間にどれだけの収入を得、総資産がどの程度の規模にのぼるのか、その全貌が明らかにされたことは今まで一度もない。

 学会の収入は、収益事業会計、墓苑公益事業会計、一般会計(公益事業会計)の三本柱から成り立っている。このうち、課税対象となっている収益事業会計だけは、申告所得が公示されるため、第三者が容易に年間収入額を知ることができる。創価学会のここ三年間の申告所得額は次の通りだ。

   2002年  約143億2000万円
   2003年  約181億1000万円
   2004年  約163億5000万円

 収入の大半は、公称部数500万部を超す機関紙「聖教新聞」の購読料と広告収入だが、この数字が宗教法人としていかにずば抜けているかは、他の宗教法人と比較してみればよくわかる。2004年の宗教法人ランキング第2位の明治神宮でさえ、その申告所得は学会の10分の1、約17億円に過ぎないのである。

 二つ目の墓苑公益事業会計もかなりの規模を誇る。創価学会の墓苑は、77年完成の「戸田記念墓地公園」を皮切りに、全国で続々と開発され、現在では13ヵ所、区画総数は40万基を超える。学会墓苑の特徴は墓地の永代使用料と墓石代をワンセットにして販売することだ。一区画当たりの販売価格は墓地によって幅があり、初期の「戸田記念墓地公園」が40万円、一番新しい墓苑で100万円前後だという。墓地ごとの基数と各区画の価格データがないので正確な販売総数は計算できないが、平均販売価格を50万円、区画総数を40万基と低めに見積もっても、売り上げ合計は2000億円にのぼる。ここから用地取得費、造成費、墓石代などの経費を差し引いても、相当な利益を上げているのは間違いない。

 そして、学会の財政基盤を支える最大の収入が一般会計だ。一般会計とは、平たく言えば学会員たちからの寄付金のことで、毎年一度集める「財務」が中心となっている。この一般会計の年間収入は、2000億円から3000億円という莫大な額にのぼるというのが「定説」だ。

 1952年に学会に入り、91年5月に脱会した元教学部教授、後呂雅巳は、「財務」についてこう証言する。

「財務は年1回、1万円以上で上限はありません。地域ごとに目標額を立て、『財務をやれば福運がつく』と幹部が指導するわけです。地域の集会ではお題目を唱え、『3桁(100万円台)に挑戦します』『2桁(10万円台)をやりました』などと、決意や体験談を発表します」

 後呂自身も長年にわたり多額の財務をしてきたという。

「89年9月10日に500万円、90年7月3日には600万円の財務をしています。90年からは銀行振り込みになりました」

 後呂が今でも保管している89年9月10日付の「受領証」には、「創価学会会長・秋谷栄之助」名で、「真心の財務として確かにお受け致しました。公宣流布のため有意義に使わせていただきます」と記されている。

 年間数1000億円といわれる「財務」に、税金はまったくかからない。法人税法の規定で、宗教法人を含む公益法人の公益活動には税金が免除されることになっているからだ。収益事業についても、出版事業、物品販売業、駐車場など33の事業収入に法人税の納付義務があるが、税率面で優遇されており、資本金1億円以上の企業の税率が30%なのに対し、22%の軽減税率となっている。

 こうした宗教法人ならではの超優遇税制の恩恵を受けながら集めたカネは、預金、土地、建物という資産に姿を変え、日本各地に蓄積されているのである。

 共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が2001年に行った調査によれば、学会は<東京・新宿区内に、判明分だけでも75ヵ所5万3400平方メートルの敷地(東京ドームグラウンドの4個分、推定地価479億円)を所有し、その6割以上を固定資産税・都市計画税を納めない非課税対象にしている>という。この他、学会は全国、そして海外を含め2000を超える施設や広大な土地を持っているという指摘もある。この資産価値も相当なものだ。

 現在、創価学会の資産はいったいどれほど膨れ上がっているのだろうか。経済誌「週刊ダイヤモンド」(2004年8月7日号)の特集記事「創価学会の経済力」には「総資産10兆円!」という数字が見出しとして掲げられている。この数字の出所は国会での質問で、93年から95年にかけて、自民党が公明党の資産問題や税務問題を追及した際に飛び出した発言だった。

「我々が内々にいろいろ聞いたところでは、創価学会さんは不動産資産9兆円、流動資産1兆円というような堂々たるお力をもっておられるというようなことでございますが-」(95年11月7日、衆議院「宗教法人に関する特別委員会」、発言者は能代昭彦議員)

 能代は、10兆円という額に明確な根拠を示しておらず、この発言の真偽は不明である。それでも、今まで見てきたように、創価学会が並みの企業では太刀打ちできないほどの収入と資産を持っていることだけは間違いないだろう。

 ところが国税当局は、このような巨大な財力を誇る創価学会に対し、前述した90年、91年以外には、本格的な税務調査を一度も行っていないのである。

 果たして国税当局は、「課税の公平」をどれだけ貫けているのだろうか。「内部文書」を基に検証してみたい。

【今日はここまで。中編に続きます☆】
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この記事に対するコメント

ごくろうさん。目が疲れたでしょう!


 今日参議院の予算委員会で、民主党の石井一議員が、創価学会会館が全国で1000もあって、そこでは選挙のときセンターとなって政治活動をしている。政教一致だ。
委員会の矢野・福本・池田氏を招致するように理事会で諮れとほえていましたが、環境大臣は苦虫を潰していました。
創価学会のことをもっと追及してもらいたい。

 国税庁も創価学会にはモノを言えない・・・・・権力側にいるからね~自民党と組んだのは、単に権力が欲しいだけだもん。
権力側にいたら、悪事も隠せるしええあんばいって事だね。

【2008/10/15 22:09】URL | あくしゅ #-[ 編集]

政教分離の原則は社会のルールです。


はじめまして、不良共産党員の「mico_tenar 」と申します(あくしゅさんのところからやって来ました)。突然のコメントでご迷惑をおかけいたします。
母が「創価学会」に入っていて、社会のルール(信教の自由・政教分離の原則)守れていないようです。私にもどうすることもできないのですが、あきれています(政教一致の宗教団体なので、とても恥ずかしい思いをしています)。是非、ネットを通じて、この下記「某宗教法人」の実態をあきらかにしていただきたいと思います。この連載、2~3回もかならず読ませていただきますので、しんどいタイピングも、目の疲れにも負けないで、がんばっていただきたいと思います。


>一般中小業者には容赦なく税務調査に押し入り、時には無茶苦茶な推計課税までやってくる税務署・国税庁が、こと某宗教法人には及び腰な実態

【2008/10/17 18:17】URL | mico_tenar #-[ 編集]

所得


まあ、明治神宮が「機関紙」を何百万部も発行してませんからねー。(初詣のお賽銭は多いだろうが)

機関紙収入と言うのは「売り上げ」で計算されるから、たとえば、共産党の「収入」が、自民党の「収入」より多くなる(2900円の赤旗10か月分と、29000円のパーティ券1枚が同じ扱い)ので、
確定申告されてる方なら、単純比較にならないことは重々ご承知だと思いますが。

まあ、どうみたって「大学生新聞」を読めそうにない単身高齢者のオバチャンに、「功徳」のために何千円分の新聞を購読させ「発行部数」に応じた広告料を稼いでりゃ、儲かってしかたないだろうけど・・・

S学会の場合、宗教より「カルト」で考えなきゃ、他の宗教団体に失礼だと思います。

(これは共産党員一般にも言えることで、「政教分離」の原則というのは、たとえば自民党候補者が宗教団体に取り入ってるようなことも含めて批判しなくちゃいけませんが、宗教とカルトと迷信の区別はしなけりゃ。・・・ちなみに「友引の葬式…」は、宗教でなく迷信です)

【2008/10/17 21:47】URL | ×第二迷信 #2CpNAWCc[ 編集]

おっ、いい本読んでるね


問題は、日本共産党は宗教団体ではないが、創価学会と同様に見られていることを党員が自覚できるかどうか?

嫌いな政党ランキングで公明党とトップ争いをしている現実をどう見るか?

そう言う人は、日本共産党について無知で反共宣伝に躍らされているだけなんて考えるようではダメなんだが,,,,

【2008/10/18 02:40】URL | ぶさよでぃっく #3/VKSDZ2[ 編集]


>日本共産党について無知で反共宣伝に躍らされているだけなんて考えるようではダメなんだが,,,,

確かに。
自分たちに否定的な意見を
「理解不足」
「マスコミが悪い」
等と言っているうちは、広い支持は得られないでしょうね。
自分たちの側の間違いや努力不足をきちんと認めない姿勢。
結局、批判してる自民・公明・民主とどこが違うの?って一般の人は思ってしまいます。

もし、共産党が、自分にとって認めるのがいやだったり怖かったりすることも含めて、水からすばやく反省し、その姿を見せられる政党になれば、もっと支持は集められるんでしょうが、今のままでは結局他の政党とどこが違うの?なんですよ。

共産党支持の人は「共産党の主張は正しい」って言うのですが、支持者以外の人から見れば、主張の正しさも当然ですが、問題はその姿勢なんですから。

いくら正しいことを主張しても、結局根本的な姿勢(自分の過ちを認めない)が他党と変わらないなら、言っていることも信用されませんから。

共産党の一番の問題点は、あまりに独善的なことだと思います。それは考え方が違う人から見れば、あまりに受け入れがたいものです。

【2008/10/18 03:20】URL | すまり #-[ 編集]

ついでに


能代昭彦・・・「造反組」から国民新党に移って、参院比例で落選した後、国民新党からも離れた
「熊代」議員(元)でしょうか。

宗教法人というのは、「公益法人」(「公益社」は公益ではなく営利企業だが)で、公共の利益に寄与しなくちゃいけないのを条件で、税金などで優遇されてるんですが、

「公益」が「公○党の利益」だと思ってるとしか思えない奴もいますねー。

ただ、カルトやらのめりこんでる人も、占いにはまってる人も、
「小泉劇場」にはまった多くの日本人と同じレベルなんですよね。

 理屈が通る人が少ないのは事実で…。

【2008/10/19 08:23】URL | ×第二迷信 #2CpNAWCc[ 編集]


>「小泉劇場」にはまった多くの日本人と同じレベルなんですよね。


多分、この姿勢が共産党が指示を得られない理由なんでしょう。
だって、その姿勢って結局
「自分たちの主張を理解できないのはレベルが低い国民だから」
って態度で示しているのと同じですから。

馬鹿にしている相手に、自分たちを支持しろといってもだめですよ。

【2008/10/20 03:07】URL | すまり #-[ 編集]


>「小泉劇場」にはまった多くの日本人と同じレベルなんですよね。

どうみたって、「後期高齢者医療」を進めた張本人の小泉より、
「制度が実施されて」差別医療の直面で困っている人のバッシングに会ってる福田と、
どっちの責任が大きいといったら、
完全に小泉。

今になっても、その小泉のほうが支持率高いというんだから、有権者が政策で見てないのは明らか。

商品の中身で勝負せず、コマーシャルしか見てないような有権者に、コマーシャル勝負しかできないなら、
いくらたっても、勝てるわけがない。

ちょっと賢くなってもらって、中身を考えた選択をできる有権者にならんと、悪徳商法のエジキになるよ、という啓発が必要でしょ。

【2008/10/27 07:24】URL | ×第二迷信 #-[ 編集]

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