【求む必読!!】 「汚染がれきは東電にお返しするのがいい」小出京大助教授

 どうも、米ナスの収穫が忙しくなって来て土日もハウス通勤三昧の紅星です。

 (そのくせ先週は高知赤旗まつり行っていましたが…でも、休んだ分翌日はエライてんてこ舞いでございました)

 そんな日常ですが、今日は割と収穫量少なかったので早く帰って来れまして、何の気なしにニコニコ動画みていましたら、上のテロップに、

「汚染がれきは東電にお返しするのがいい」
京大原子炉実験所・小出助教授


のタイトルが!

小出裕章・京都大学原子炉実験所助教授【ニコニコ動画ニュースより引用】
小出裕章・京都大学原子炉実験所助教授【ニコニコ動画ニュースより引用】
 


このインタビューは昨日5時半から『ニコニコ生放送』で視聴出来たらしいのですが、現在はプレミアム会員(有料)でしか視聴できません。

でも、インタビューの書き起こし記事がアップされていたので、コピペしてここに載せさせて頂きます(オリジナルの記事はこちらからどうぞ)


【以下、引用開始】

「汚染がれきは東電にお返しするのがいい」
京大原子炉実験所・小出助教に聞く 全文


ニコニコニュース(オリジナル) 2011年11月6日(日)13時37分配信

 福島第1原発事故の影響で放射能に汚染されたがれきは「東京電力にお返しする筋の物」。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は2011年11月5日、ニコニコニュースの単独インタビューに応じ、ニコニコ生放送の視聴者からの質問に答えた。小出助教は、ニュースなどで話題になっている汚染されたがれきの処理についてたずねられると、がれきを放射性物質を出さない廃棄施設で焼却したのち、福島第1原発を封じ込める「石棺」を造る際の、コンクリートの材料とすべきであると語った。

 以下、番組を全文書き起こして紹介する。


■福島2号機のキセノン検出 再臨界の可能性は「たぶんない」

アシスタント吉野智子(以下、アシスタント): 皆さん、こんばんは。ニコニコニュースの吉野です。そしてこちらは亀松編集長です。それでは本日は、「放射能汚染の時代を生き抜くには? 異端の研究者 小出裕章氏がニコ生ユーザーの質問に答えます!」と題しまして、京都大学原子炉実験所助教でいらっしゃいます小出裕章先生をお招きして、ユーザーの皆さんの質問にたっぷりとお答えいただきます。それではさっそく、小出先生をお呼びいたしましょう。小出先生、よろしくお願いします。

会場: (小出裕章氏が登場)。

京都大学原子炉実験所・小出裕章助教(以下、小出): こんにちは。

アシスタント: よろしくお願いします。

亀松太郎ニコニコニュース編集長(以下、亀松): よろしくお願いします。

小出: よろしくお願いします。座っていいですか。

アシスタント: はい、どうぞ。

亀松: どうぞ。

亀松: 今日のインタビューよろしくお願いいたします。

小出: はい、よろしくお願いします。

アシスタント: よろしくお願いします。

亀松: この部屋は長野県上田市にある信学会という予備校の一室で、実は先ほど高校生向けに原子力の話をされていたわけですけれども、その感想というか若い人からも質問あったと思いますけれどもいかがだったでしょうか。

小出: いいですね。若い人って・・・。

亀松: ああ、そうですか。

小出: これから彼らが生きていく、そしてこの日本という国を作っていってもらわなければいけない。私としてはこんな放射能で汚れた国を彼らに残すということを大変申しわけないし、気も重いけれども、もうどうしようもない。それしかないわけだし、やはり若い人たちがしっかりと自分の頭で考えてくれるということだけが希望ですので、一人一人の若い人がちゃんと考えようとしてくれるということを見ると、やはりちょっと希望というか嬉しく思います。

亀松: なるほど、わかりました。今日はニコ生(ニコニコ生放送)ユーザーの質問をどんどんぶつけてお答えいただくということなんですけれども、大きく3つに分けて30分くらいお話をうかがいたいと思います。1つ目は、現在の福島原発(福島第1原子力発電所)の状況についての質問がいくつかありますので、それについてお答えいただきたい。

 それから、いろんなところに放射性物質が拡散してしまって生活へいろいろな影響が及んでいるわけですが、それに関していろんな不安があって情報を知りたいという質問もあります。もう1つはそれ以外の小出先生自身のことも含めて質問が来ています。ということで、大きく3つの構成でうかがいたいと思います。

小出: はい。

亀松: では、まずさっそくですけれども福島(第1)原発に関してです。これは長野県の44歳の男性から来ている質問です。「先日、福島原発の2号機で放射性キセノンが検出されましたが、東京電力は『臨界は起きていない』と言っています。これについての小出先生のご見解をお願いいたします」。

小出: はい。私は初めに東京電力が「キセノンを検出した」と発表したその発表自身が、ひょっとすると間違いかもしれないと疑ったのです。それは、これまでにも東京電力は「クロル38という放射性物質を検出した」、あるいは「ヨウ素134という放射性物質を検出した」という発表をしたことがありました。

 もしそういう放射性物質が検出されたということであれば、臨界を疑う以外にないと私は発言をしたのですが、私自身は、実は原子炉の中で再臨界が起きる可能性は限りなく低いと思ってきた人間で、たぶんないはずだと思っていたのですが、クロル38あるいはヨウ素134を検出したというなら、もう再臨界を疑う以外ないという発言をしました。

 ところが発言をしてしばらくすると、東京電力が「自分の測定が間違いでした」ということで撤回してしまうということできたのですね。今回もキセノン133、135を見つけたと言ったわけですが、また彼らが間違えている発表をしたかなという風に思いました。ただし、すでに事故から7ヶ月以上経っていて、彼らとしてもそれなりの間違った発表をしてきたという経験もしているわけですから、今度のことに関しては間違わないようにデータを見直してから発表したんだろうなと思いました。

亀松: なるほど、はい。

小出: そうであるとすると、可能性は2つだと思いました。

亀松: そのキセノンが出たというのが・・・。

小出: はい、キセノンが本当に検出したというのであれば、それを説明する可能性は2つ。1つが自発核分裂という現象でキセノンができてきている。もう1つは前から言われているような再臨界というのが起きている。その2つしか可能性はないと思います。

亀松: なるほど。

小出: ただし、私自身は今聞いていただいたように再臨界の可能性というのは、たぶんないと思ってきた人間ですので、「自発核分裂で出てくるキセノンで、今回東京電力が検出したという量が説明できるかどうか」、それだけがネックだという風にマスコミの取材にも答えていました。その後で、東京電力の発表で今回彼らが検出したキセノンは「自発核分裂で出てきたものとして説明できる」ということを彼らが言いましたので、私はたぶんそれでいいだろうと思います。

亀松: ああ、そうですか。

小出: 現在の状況はたぶんそうだろうと思います。

亀松: はい。整理すると、東京電力も会見で「自発核分裂であって再臨界ではない可能性が高い」ということを言っていますが、小出先生もそれに同意されているということですね。

小出: はい。再臨界の可能性が絶対ないとは私は思わないし、ひょっとすると今も再臨界がないとは言えないのですが、自発核分裂自身がもう人間がコントロールできるということではなくて必ず起きているわけだし、そこからキセノンが出るということは当たり前のことなのであって、それで説明できるということであれば、今は再臨界を疑う必要はないと私は思います。

亀松: はい。今、小出先生はもともと再臨界の可能性は低いという風に考えていらっしゃったということを仰りましたが、それはなぜですか。

小出: 世界にはいろいろな原子炉がある。そして日本で使っている原子炉、福島第1原子力発電所もそうですけれども、いわゆる米国製なんです。私たちが「軽水炉」という言葉で呼ぶ原子炉なんですが、その原子炉では、原子炉を設計する時に、燃料をこうやって配置をしようよと言って順番に設計していくわけですけれども、原子炉の形がまともに保たれている時に一番核分裂の連鎖反応が維持し易いという、そういう形に設計するのです。

 ですから形が少しでも崩れてしまう、燃料棒が壊れて崩れ落ちる、あるいは溶けてしまうというようなことになると、核分裂の連鎖反応はどんどん起きにくくなるという原子炉なんです。今回の場合には、燃料棒がボロボロに壊れてしまって、溶けてしまったと言っているわけですから、核分裂の連鎖反応が起きるという条件からはどんどん離れていく方向に行っている。だから、再度また核分裂の連鎖反応が起きるという可能性はどんどん少なくなっていっているはずだし、極々特殊な条件が生み出されない限りはないと私は思っています。

亀松: なるほど。そうすると、いわゆる自発的、単発的な核分裂というものは散発的に起きていたとしても、いわゆる核分裂が連鎖的に起きていく「臨界」という状態に達しているという風には考えにくいということなんですね。

小出: たぶん今は起きていないのだろうと私は思います。もちろん可能性を全部否定しているわけではありません。もちろん注意はしなければいけないけれども、今回東京電力がキセノンを検出したということに関する限りは、「自発核分裂」だということで言っていいだろうと思います。

亀松: なるほど、わかりました。


■放射線の測定には「専門知識と特殊な機器が必要」

亀松: 次の質問にいきたいと思いますが、静岡県の46歳の男性からですけれども、「現在、福島(第1)原発のメルトダウン、炉心溶融はどのくらいの深さまで到達しているのでしょうか」という質問です。

小出: わからないのです。東京電力も国も、すでに炉心がメルトダウンしたということは認めているのですね。それで炉心がメルトダウンをしてしまうと、原子炉圧力容器という鋼鉄製の圧力釜の底に落ちてしまいます。圧力容器そのものは厚さ16cmあるという巨大な圧力釜なのです。

 ただし、そこに2800度を超えたウランの溶けた塊が落ちていく。それが100トンもあるということです。ですから、いくら16cmも厚みがあったとしても鋼鉄というのは1500度を超えたら溶けてしまいますので、いずれは溶けるというのは当たり前なのです。福島第1原子力発電所の原子炉というのは、先ほど「軽水炉」と私は呼びましたが、軽水炉の中でも沸騰水型という原子炉なんですね。その沸騰水型という原子炉はその圧力釜の底に何百もの穴が開いていて、そこに制御棒駆動機構というパイプが突き刺さっているのです。そのパイプはごくごく薄いパイプなのです。

 そこへ溶けたウランが落ちてくるわけですから、圧力容器本体が溶けるか、溶けないかに関わらず、そのパイプは簡単に穴が開いてしまうという、そういうものなんですね。穴が開いてしまえば、溶けた炉心がさらにその下に落ちてしまうということは当たり前のことなわけで、圧力容器はもうすで底が抜けてしまっていて水も溜めることができない。溶けたものは圧力容器の底を貫いて、さらに下に落ちているという状態なんですね。では一体どこに落ちているかというと、「格納容器」と私たちが呼んでいる、さらに大きな・・・。

亀松: はい、その周りにあるものが・・・。

小出: 容器の底に落ちている。格納容器は厚さ3cmの鋼鉄製ですけれども、ただその底、溶けたウランが落ちる場所はコンクリートの分厚い床があるのです。コンクリートの床の上に溶けた固まりが落ちる。そうすると、コンクリートを今度は溶かして破壊しながら下に落ちていくわけですね。いつかその格納容器の鋼鉄に接した段階で、格納容器というものの底を抜くわけです。

 格納容器というのは放射能を閉じ込める最後の防壁になっているわけで、その鋼鉄が破られてしまえば、あとはもうなす手がない。地下にめり込んでいくという、そういう状態になるはずなんです。でも東京電力自身は、今回の事故が起きてから約10日を経て、後に発電所の中の電源を回復したんですね。

 電源が回復したということは、ポンプが動くということですし、水を流せるということになったわけで、それ以降、何とかその溶けた原子炉を冷やそうと努力を続けているわけで、その努力がそれなりにもし身を結んでいるんだとすれば、格納容器の底に落ちた溶けたウランというものに何がしかの水が届いているはずだし、その溶けた塊が一体どこまでコンクリートを壊し、格納容器の鋼鉄を壊しているかというのは、水を掛けてどこまで冷やしていられるのかというのとのせめぎ合いで決まっているわけですね。でもそのせめぎ合いでどこまで行っているかということがわからない。近づいて見ることもできないわけですし、それを知ることができるような計測器もないということで、今はよくわからない。

亀松: なるほど。それはある意味、推測するしかないという世界で・・・。

小出: はい、そうです。

亀松: それは別に東京電力が知っていて発表していないというわけではなくて、もう東京電力自身が把握できないという状況になっていると。

小出: そうです。今回の事故で、正確な情報を私がなかなか得られないという状況がずっと続いたのですが、その理由は2つあって、1つは今回の事故を起こした最大の責任は東京電力と日本の政府にあると思うのですが、つまり責任というか犯罪を彼らがおかしたと私は思っているのですけれども、その彼らは情報を握ったまま、自分の都合の悪い情報をなるべく出さないという作戦に出ているわけです。

 ですから、なかなか正確な情報が私あるいは皆さんに届かないということが1つある。もう1つはもっと深刻であって、彼ら自身が正確な情報を知り得ないという、そういう状態にあるのです。ですから、今溶けた原子炉の炉心がどこにあるかということも正確にはわからない。でも私自身はすでに格納容器の底を抜いている可能性もあるのだから、それに対処できるように地下にバリアを張らなければいけないと5月の中頃から言っているのですけれども、国も東京電力も今のところは動こうとしないという状態が続いています。

亀松: わかりました。まだいろいろ福島(第1)原発のことは聞きたいことがいっぱいあるんですけれども、ちょっと時間もあるので。また次の質問に移らせていただきたいと思います。お願いします。

アシスタント: 栃木県の39歳の女性の方からいただきました。「2歳と7歳の娘を持つ母です。ガイガーカウンターを購入予定ですが、どの商品が良いのかわかりません。何かアドバイスを下さい」というメールをいただきました。

小出: はい、どれでもいいです。

会場:(笑いが起こる)。

小出: というのは、「どれでもダメだ」ということでもあります。皆さんが買えるような放射線測定器というのは多分何万円かはするかもしれない、高いものを買えば何10万円かはするかもしれませんが、いずれにしても簡易型の放射線測定器です。私が言うと申しわけないけれども、放射線を測定するということはそれなりに大変なことであって、それなりに専門知識がなければいけないし、その専門知識で初めて使えるような特殊な測定器がなければ、ちゃんとした測定ができないというものです。

 ですから、皆さんが買えるような簡易型の測定器を、例えば今10個ここに並べるというようなことをすると、10個が10個全部違う値を示します。そしてその10個をまた別の場所に持っていくと、その場所でまたてんでばらばらな数値を示すというものなのです。ですから(放射線測定器を)買って、例えば1時間当たりここで1マイクロシーベルトという数字が出ちゃって「大変だ」というように皆さんは使いたがるわけですけれども、そういう使い方はしてほしくないと私は思います。

 ただし使い方によっては役に立つと私は思っています。どうやって使うかというと、1つ買ってその測定器を、例えばこのテーブルの上で測ってみる。そして同じようなテーブルがある場所で、こういう大きさの部屋で、このテーブルの上、そして同じ位の部屋で、同じようなテーブルの上と・・・条件をそろえて測るのであれば、どっちが高い、どっちが低いという情報は得られると思います。ですから道路なら道路に行って、この道路の上で1mのところで測って、別の道路で1mのところで測るというように条件を同じにして測れば、高い、低いはわかる。それは役に立つと思いますし、それぞれの家庭で、例えば庭の真ん中、庭の端っこ、あるいは雨どいの下というような場所を変えながら測っていけば、どこが汚染が強いという目安にはなると思います。

亀松: なるほど、わかりました。


■汚染がれき焼却灰を埋めるのは「まったく正しくないやり方」

亀松: 今のはちょっと原発の話だけれど、放射性物質の影響についてどうやって対処したらいいのかという質問だったんですけれども、もう1つそれに関する質問が来ています。

アシスタント: アメリカから女性の方です。「チェルノブイリではオオカミ、その他の動物が元気に生きているという番組を見た」ということなんですが、「環境に適応しているということですが、だとしたら人間も今までより放射性物質の多い環境に適応していくということも考えられるのでしょうか」という質問です。

小出: ないです。チェルノブイリでももちろん動物はいっぱい生きています。でも多分その動物の中では、ガンで死んでいる動物もたくさんいると思います。ただ動物から見ると、最大の害悪は人間なんですよ。ですから、人間がいなくなった場所は動物にとってのサンクチュアリになっている。

 だからチェルノブイリの周辺は動物のサンクチュアリですよね。でもサンクチュアリになったから動物は幸せに放射能に耐えられるように生きているかと言えば、もちろんそうではなくて、人間からはやられないで彼らは幸せだけれども、放射能で被曝をすることで、動物だって多分病気になって死んでいっているんですよ。ですから、仮に人間がチェルノブイリの周辺あるいは福島の原発の周辺で生きるということにすれば、人間もまたその放射能で被曝をして、害悪は受けるということになるわけだし、人間の場合には一番害悪を振りまく人間がそこにいて上から押さえ付けられることがないわけで、病気だけが増えていくということになると思います。

亀松: なるほど、わかりました。ではもう1つ、放射性物質に対する対応ということで、ある意味、周りにある放射性物質、放射能がなくなれば、僕らは安心できるわけですけれども。千葉県の男性から来ている質問です。「放射性物質を中和したり、消滅させたりするための研究はなされているのでしょうか。莫大な予算を何百年とかければ、時間をかければ、そのような技術が開発される可能性というものはあるのでしょうか」という質問です。

小出: 人間が原子炉を作ったのは1942年なんです。先の戦争中ですけれども、米国という国が原爆を作りたくて、原爆を作るための材料、プルトニウムというものを作るために原子炉を作ったのが初めてなんですね。それからすでに70年経っているんですが、その原子炉を作った時から学者はみんな知っていた。つまり原子炉を作ってしまえば、核分裂生成物という放射能を作ってしまうと。それを無毒化できなければ大変なことになるということは知っていた。だから研究は始まっているんです。何とか無毒化したいという研究が始まって70年きたのですが、できないのです。

亀松: 研究はされているけれども、まだできていない。

小出: そうです。原理的にはできるということはわかっているんです。例えば、中世という時代があって、いわゆる化学の場では中世というのは錬金術の時代だったんですね。亜鉛を金に変えられないかとか、スズが銀にならないかというようなことをもうさんざん研究しました。酸で溶かしてみたり、アルカリで溶かしてみたり、沈殿を作ってみたり、合金を作ってみたり、もうこんなことまでやるかというように、いろいろなことをやった。そのいろいろなことをやった結果が現在の化け学、化学、ケミストリーというもののすべての基礎を作ったというほど、その中世の錬金術は立派な仕事をしたんです。

 しかし、錬金術は廃退したんですね。亜鉛は亜鉛で金にはならない。スズはスズで銀にはならない。結局元素の変換はできないということで廃退したんですけれども、実は錬金術はできたのです。なぜかといえば、ウランという元素を核分裂させてしまえば、もうさまざまな何百種類もの元素が、放射性物質ができる。量が少なくていいなら、金だって、白金だってできると。もう錬金術はできたんですよね。ですから、ある元素、ある原子核を別の原子核に変える、別の元素に変えるということは、原理的にはもうできるということがわかったのです。

 ただし、それをやろうとすると膨大なエネルギーが必要に・・・。生み出してしまった放射能を無毒化する。無害ということではないけど害の少ない放射核種(放射性核種)に変換するという核変換ということが原理的にはできるということがわかっているけれども、それをやろうとすると膨大なエネルギーがまず必要になってしまう。元々、原子力発電というのはエネルギーが欲しいといってやっているわけですけれども、原子力発電で出てきたエネルギーをすべて投入しても作ったものが消えないというんだったら意味がないということになってしまうわけです。

 もうひとつの問題は無毒化しようとして作業をすると、逆に新たな放射性物質が生み出されてしまうという、副次的な反応がどうしても避けられないということがあって、実際上、できないという壁を越えられないまま今日まで来ているんです。その壁はとっても高くて厚い壁なので、これから越えられるという風に私は断言できないんですね。でも越えたいと思うし、何とか核変換というような技術を手に入れて、私たちの世代で作ってしまった毒物を少しでも後世の人々に負担にならないようにしたいと思いますけれども・・・なかなか難しそうだと思います。

亀松: はい、わかりました。今、がれき処理について非常に大きなニュースになっているんですけれども、それに関して和歌山県の33歳の主婦という方から先ほど質問が来ています。「国は汚染がれきを全国に拡散して焼却または埋立てしようとしています。このように拡散させても人体への影響は大丈夫なのでしょうか? また拡散以外に処理方法は無いのでしょうか」という質問です。

小出: はい。まず「人体に大丈夫なんでしょうか?」というご質問でしたけれども、放射能に関する限り「大丈夫」という言葉は決して使ってはいけません。「大丈夫」とか「安全」という言葉は決して使ってはいけない。どんなに微量な被曝でも危険は必ずあるということであって、どこまでなら自分として我慢できるかという、それだけのことでしかありません。

 そして今、質問して下さったように、日本の国は放射能のがれきを全国にばら撒いて、そこから出てくる焼却灰等を全国で埋め捨てにしてしまおうということをしているのです。それはまったく正しくないやり方です。元々、がれきが何で問題になるかというと放射能で汚れているからと言うんです。ではその放射能というのは何だったのかと言えば、東京電力福島第1原子力発電所の原子炉の中にあった物、あるべき物だったわけです。東京電力の所有物なんです。それを彼らが勝手にばら撒いたんです。

 でも元々東京電力の所有物なわけですから、本来であれば東京電力にお返しするという、そういう筋の物なんですね。ですから、すべて東京電力に返すのが私はいいと思いますし、全国にばら撒いて埋め捨てにするなんていうことは到底やってはいけないことなのです。


■原発の安全神話にマスコミはすべて乗っかっていた

小出: ただし、ですけれども、私が願っていることは人々の被曝を少なくするということです。そして特に子供たちの被曝を少なくするということです。今現在、福島周辺に膨大な汚染のがれきがあって、それをこのまま放置をしてしまえば、福島の子供を含めて、福島県の人たちが被曝をやはりしてしまうということになりますので、私は何とかその事態は避けたいと思っています。ただし残念ながら、がれきが福島だけで引き受けることができる量ではありません。ですから、汚染の強い物はできる限り福島県内で処理すべきだと思うけれども、ある程度の物は、やはり全国で引き受けてやるしかないだろうと私は思います。ただし、今現在ある焼却施設でそれを燃やしてしまうと、空気中に放射能をばら撒くことになりますので、もしがれきを全国の自治体で引き受けて燃やすというのであれば、その焼却施設に放射能を撒き散らさないような端的に言うとフィルターなんですけれども、廃棄施設を造らなければいけない。それを造った上で初めて引き受けるということをやるべきだと思います。

 そして焼却灰が出てくるのですけれども、その焼却灰を埋めるなんていうことはもちろんしてはいけなくて、それはさっき聞いていただいたように東京電力の所有物なわけですから、東京電力にお返しするのがいいと思います。どういう形で返すかというと、元々焼却施設の焼却灰はコンクリートの母材にしたんです。これから福島第1原子力発電所は放射能を撒き散らすことを防ぐ為に、巨大な石棺というコンクリート構造物を造って閉じ込め作業をしなければいけませんし、地下には溶け落ちた炉心がめり込んでいっているかもしれないので、地下に膨大なバリアを張らなければいけない。そのためには膨大なコンクリートがいりますので、そのための材料に焼却灰を使う。つまり福島第1原子力発電所に返すというやり方がいいだろうと私は思います。

亀松: はい、わかりました。では3つ目というか最後は、小出先生自身に関する質問もたくさん来ていますので。それをいくつかお願いします。

アシスタント: それでは、圧力について埼玉県の57歳の男性です。「3月12日の午後、FMラジオで先生が話されたことに衝撃を受けました。しかし、それが事実であったことが次第に判明し、いつも本当のことを話されている姿勢に感銘を受けています。でも、政府や東電などにとっては都合の悪いことも多いので、何か圧力が掛かったり、嫌がらせをされたりするのではないかと心配しています。実際そのようなことはありませんか」と。

小出: 何もありません。

アシスタント: 何も?

小出: はい。

アシスタント: 怖い思いとかをなさったこととかも?

小出: はい。

アシスタント: 意外ですね。

亀松: 意外ですか。

アシスタント: 意外ですねと言っていいのかどうか・・・。

亀松: 何か不都合なことはないですか? 圧力までいかなくても・・・。

小出: 何もありません。

亀松: 何もないですか?

小出: はい。

亀松: なるほど、わかりました。では似たような質問かどうかはわかりませんが、逆に一般の国民のほうの反応ということで質問が来ています。「この半年間いろんなところで講演とかをされていて、一般の国民の人たちの意識の変化というものは感じられたでしょうか」ということです。

小出: 私は1970年から原子力発電を止めたいと思ったのです。私がそう思った時には、日本には3機しか原子力発電所がなかった・・・。

亀松: その時にですか?

小出: 東海第1原子力発電所と敦賀(発電所)、美浜(発電所)という3機しかなかった。それから何とか止めたいと思ってきたのですが、日本人の多くは無関心でしたし、国や電力会社は「原子力発電所だけは絶対安全です」という宣伝を流し続けてきて、マスコミもすべてそれに乗ってきたわけで、ほとんどの人は気が付かないまま来てしまったのですね。

 やむを得ないことだったのかもしれないけれども、私としては大変残念だったし、今回の事故を防げなかったのを言葉に尽くせず無念に思います。ここまで来てしまったんだから何とか普通の人にも気が付いてほしいと思いますし、少しずつでも気が付いてきてくれているのかなと思います。今日だって、こうやってニコニコ動画が私のことを流してくれて、それをどれだけの方が見てくれるのか知らないけれども、何がしかの情報が、今までは私が伝えきれなかった様な広がりで広がっているわけですから、ぜひ皆さんに気が付いてほしいと願います。

亀松: わかりました。


■「廃炉は『もし』ではなく『必ず』やらなければいけない」

亀松: さっき(視聴者の)コメントでも「自分も無関心であった」というようなコメントもありましたけど、確かにほとんどの人たちがそうだったんだろうと思うんです。では、また1つ質問が来てます。東京都の38歳の女性からです。「先ほどの講義、拝聴させていただきました。これから原発を減らしていくためにも、今動いている原子炉を安定させ、廃炉にしていく必要があるのではないか。今後、小出先生自身として危険性を訴えるだけではなく、小出先生自身が廃炉に向けた取り組みをされる必要があるのではないでしょうか。専門知識がある以上、専門家の責任ではないかと思うのですがいかがでしょうか」と。

小出: はい、もちろんですね。私は京都大学原子炉実験所というところで働いているひとりの教員ですけれども、大学の教員というのは本来は学生を教育するのが仕事なんですね。でも京都大学原子炉実験所という私の職場は、学生がいないのです。工学部とか理学部、医学部、文学部というそういう組織とは違って学生はいないのです。

亀松: 研究だけということですね。

小出: はい。研究ともう1つが学生をお守りする代わりに、原子炉のお守りをしろという仕事があるのです。ただ、原子炉のお守りにもいろいろな仕事があって、運転をする人もいるし、その周辺の実験装置のお守りをする人もいるし、放射線管理をする人もいるし・・・私は実は放射性廃物の管理の責任を負うという部署で今仕事をしています。ですから、実験所で毎日そういう仕事をしていますし、これからもし廃炉というようなことが・・・「もし」じゃないな、「必ず」必要になるわけですけれども。私がやっている仕事は直接的にそれに関わっていますし、必ずやらなければいけないと思っています。

亀松: わかりました。では最後の質問というか要望なんですけれども、今、ニコニコ動画を見てるたくさんの人が先生のお話、このQ&Aを聞いてたわけですけれども。このカメラに向かって見ている人たちに対して何かメッセージがありましたらお願いします。

小出: はい。いつも皆さんにお願いしていることですけれども、私は一介の原子力の場にいる人間です。原子力の場にいるというのはかなり特殊な人間ですので、私にできることは私がやります。ただし、私は原子力以外のことはほとんど何も知らないし、何もできません。歌も歌えないし、絵も描けないし、詩も書けないし、大工さんじゃないから家も建てられないし、ほとんど何もできないという人間です。

 でもすべての原子力の問題というのは原子力だけではなくて、私たちがどうやって生きていくか、どういう世の中を作りたいかということですので、皆さん一人一人が必ず有効にできることがあると思います。皆さん一人一人の個性を発揮して自分ができることをやるということをしていただければ、たぶん原子力は簡単になくなります。ぜひそうしてほしいと思います。

亀松: はい。ちょっと今、コメントがここに流れてるんですけど。

アシスタント: 「かっこいいです」、「わかりました」。

小出: はい。

亀松: この「8」が今(ニコニコ動画の画面に)出てるのはパチパチパチという拍手の意味なんですけど。

小出: そうなんですか。

亀松: はい、今、こうやって出たりしてますけれども。ありがとうございます。

小出: はい。

亀松: 時間があっという間に30分を過ぎちゃって「質問が少なすぎた」というようなコメントがさっきあったりして。質問がたくさん来てたんですけれども読めなかった人には申しわけないと思います。また機会がありましたら、ぜひこういうことができたらいいかなと思います。

小出: はい、ありがとうございました。

亀松: 今日は本当にありがとうございます。

小出: ありがとうございました。お世話になりました。

アシスタント: 本当にありがとうございました。

小出: ありがとうございました。

【以上、引用終わり】



30分のインタビューを全文書き起こしたものやけん、ちくと読みづらいちう人もおるかも知れんけど、脱原発を考える人にとっては珠玉のインタビューやち思いよります。

出来る方はぜひニコニコ動画のプレミアム会員になって、このインタビュー動画を視聴する事をお薦めします。紅星も、今はお手当(研修手当≒給料)前で金欠ですが、お手当もらえ次第入会して視聴したいと考えています。

最後に、このインタビュー記事をご覧になって小出助教授の意見に賛同された方、是非とも拡散をお願いします!!
(*m_ _)m


したっけ




最後までお読み下さり、有難うございました。










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