漫画でよみがえる『蟹工船』

 昨日、2月20日は、小林多喜二特高の拷問で虐殺されてからちょうど75年目。多喜二の(ついでながら紅星の)郷里である小樽では、まだ雪深いなか墓前祭が行われた。


以下、今日の『しんぶん赤旗』から引用。

小林多喜二の墓前祭
没後75年 140人集い「身近な思い」
小樽

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 戦前、侵略戦争反対と国民が主人公の社会づくりに身をささげたプロレタリア作家で、日本共産党員の小林多喜二の命日にあたる二十日、北海道小樽市で、墓前祭が行われました。

 今年は多喜二が一九三三年に特高警察に虐殺されてから七十五年です。道内はじめ東京、京都、大阪などから百四十人が集まり、急こう配の奥沢墓地の雪を踏みしめて参列し、多喜二の愛した赤いバラを献花しました。

 『蟹工船』エッセーコンテストに入賞した大学生は「亡くなって七十五年たってもこれだけの人が多喜二を身近な思いで見ていて、驚きです」といいます。

 寺井勝夫小樽多喜二祭実行委員長は「戦争と平和がせめぎ合う激動の情勢に多喜二の不屈の生涯を学び、多くの人たちと連帯を結ぶことを墓前に誓いたい」とあいさつしました。

 日本共産党北海道委員会の青山慶二書記長は「いま非正規雇用が広がる若者のあいだで、『蟹工船』がわがこととして受け止められています。けれども多喜二の時代と違い、現代は堂々と活動できます。国民が主人公の政治を切り開きましょう」とよびかけました。

 祖父母に付き添って参列した女性(22)=大阪府=は「多喜二の時代といまの若者が重なるというのは、本当だと思いました。私も服屋のアルバイトで夜中の十二時に突然、次の日の仕事が入り、サービス残業があって頭にきていたんです」と話していました。



 しんぶん赤旗や、1月9日付毎日新聞での、高橋源一郎氏と雨宮処凛氏の対談記事のように、今、多喜二の代表作 『蟹工船』が再び読まれるようになってきている。

 しかも、戦後63年間読まれてきたのとは違った読まれ方で。

 戦後のこれまでは代表的なプロレタリア文学作品の1つとして、『蟹工船』の登場人物と読み手の間には一種ガラスの壁のようなもので仕切られるような読まれ方、変な言い方をすると「どこか他人事」のような読まれ方で、知識人や学生が中心であったろうと思う。

 しかし、今の『蟹工船』の読まれ方は、日雇い派遣労働者ネットカフェ難民、その他パワハラに日々あえぐ若い労働者がその読み手となっており、もうそこにはガラスの壁など存在せず、登場人物=自分と投影して読まれている感がある。

 その背景には先日当ブログで書いた、志位質問に象徴される「ルールなき資本主義国 日本」で青年労働者が置かれている過酷な労働環境がある。

 加えて、一昨年から昨年にかけて、異なる2つの出版社から漫画版の『蟹工船』が出版され、文字離れが進んでいる青年層にも読みやすく、しかもビジュアルで頭に飛び込んでくるのが相乗効果をもたらしたのではと思っている。

 紅星もイースト・プレスの『まんがで読破 蟹工船』を持っているが、この本を入手したのは昨年の12月2日、JCP幡多地区党会議後の『永年党員を祝う会』でしこたま飲み、いい感じでできあがって「酔い覚ましに何か買って帰ろう」と立ち寄った○リーエ○で、ふと漫画コーナーに目をやったらこの本があった。

 「おおっ、コンビニでも『蟹工船』が売られる時代が来たかぁ!!」

と妙な感慨が湧くと同時に、「地区党会議の夜にこの本に出会ったのも何かの因縁かも」と考え、さっそく買って帰って読んだ。

 面白い!!

 この漫画を描いた人の名前は何故か本に載っていないのだが、その絵柄と原作とが見事に融合して、一気に読ませてくれた。そしてその時に、先に書いたように、「蟹工船」は現在もこの日本で展開されていると感じたものである。

 残念な事は、その後この本を買った○リーエ○にも、その他のコンビニにも「まんが蟹工船」を見かけないことである。置いていないのか、それとも置いたらすぐ誰かに買われていくのか・・・(もしそうだったらいいのだが)

 以上、我が郷里小樽の、そしてJCPの大先輩である多喜二没後75周年に因み何か・・・と書き始めた今回の記事、若干とりとめのない記事になってしまった事をお詫びしたいが、最後に、「ルールなき資本主義国 日本」を「ルールある国」にさせるよう奮闘している人々、そして理不尽・劣悪な労働条件下でも懸命に働いている青年労働者に、連帯の意を表して、この言葉で締めくくりたい。

  『そして、彼等は、立ち上がった。
              ―もう一度!
 

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この記事に対するコメント

こんにちは、川口です。


コメントありがとうございます。
紅星さんも会計でしたか、豊橋でのI君からの報告を
聞いて、川口との違いにビックリしてしまいました。
I君もがんばっていますが、今年は会員拡大が伸びず
胃の痛い日々が続きます。

【2008/02/25 12:59】URL | モチ #-[ 編集]


はじめまして。イーストプレスのこのシリーズ、いいですねぇ。
小生も、読み返しを含め、何冊か買いました。
蟹工船は売り切れでした。

「蝋燭が2本すっと上に伸びるように」だったかな、あの衝撃のシーンは絵になってますか?

【2008/03/29 21:45】URL | TAMO2 #-[ 編集]

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