『毎日』社説ウォッチングから-『3K』紙とトンデモ軍人田母神は、日本の何を守るつもりなのか?-

 5月30日、アイルランド首都ダブリンで開かれていた『クラスター(集束)爆弾禁止条約を目指す国際会議』は、クラスター爆弾をほぼ全面的に禁止する条約案を参加110ヵ国の全会一致で採択し閉幕した。


 クラスター爆弾については、日本国内でも、NGOや、超党派の国会議員で組織される『クラスター爆弾禁止推進議員連盟』に、中川秀直自民党元幹事長らなど保守の有力議員も参加するなど、右派左派問わず広範な禁止論が出されていた。

 今回の『クラスター爆弾禁止に向けた国際会議』について、日本の大手マスコミはどのような評価をしたか。『STOPクラスター』キャンペーンを展開し、精力的に廃絶を訴えてきた毎日新聞の6/1付『社説ウォッチング』が各紙の社説を紹介している。

社説ウオッチング:クラスター爆弾
 ◇「不条理」廃絶訴え--毎日
 ◇国の安全損なう--産経
 ◇首相の決断評価--朝日
 クラスターとはもともと英語でぶどうなどの房をいう。投下された容器が空中で開き、ぶどうの粒がばらけるように、数個から最大2000個以上の子爆弾が広範囲に飛び散る。民間人も軍事目標と区別なく攻撃にさらされ、爆発しなかった弾は戦闘終了後も残り、地雷と同じように突然爆発する。死傷者の98%が民間人で、27%は子供という。数千万個の不発弾が今も世界に転がっている。

 ◇キャンペーン報道展開
 そのクラスター爆弾をほぼ全面的に禁止する条約案が5月30日、参加約110カ国の全会一致で採択された。毎日新聞はこれまで、クラスター爆弾の廃絶を求めるキャンペーン報道を展開し、07年1月からは「STOPクラスター」というタイトルの連載記事などを多数掲載してきた。それに連動して社説も再三にわたって取り上げた。条約案採択は、そうした報道の上でも大きな節目となった。

 毎日の社説が他紙に先駆け、最初にクラスター爆弾を取り上げたのは06年10月。ずばり「使用禁止の条約が必要だ」が見出しだった。各地の戦争で市民を無差別殺傷してきた「第二の地雷」がイスラエルのレバノン攻撃でも使用された点をとらえ、「終わったのに終わらない戦争。そんな不条理はこれ以上、繰り返してはならない」と訴えた。1997年に採択された対人地雷禁止条約も、当時の小渕恵三外相の強い指導力で当初の消極論から加盟に方針転換した経緯を紹介し、「対人地雷と同じように使用禁止に向けた国際条約交渉に踏み出すべきだ」と提唱した。

 米国、中国、ロシアの抵抗で交渉が難航したため、ノルウェーなどの有志国と国際NGO(非政府組織)が新しい枠組みで禁止条約作りを目指す「オスロ・プロセス」に舞台が移ると、社説も日本政府に「条約作りの議論に積極的にかかわるべきだ」(07年2月)と呼びかけ、政府が態度を留保すると「今からでも遅くない」(07年11月)と翻意を促した。

 ◇今後へ三つの提言
 日本政府が条約に消極的だったのは、同盟国・米国への配慮と、クラスター爆弾が日本の防御用の抑止力として有効という論理だった。しかし、5月13日社説は、使用国は自軍の兵士や自国民を危険にさらさないため自国では使わず、敵国攻撃で使用している事実を指摘し、防御用の論理に疑問を投げかけた。そのうえで「政治決断で禁止の旗を掲げる時だ」と福田康夫首相に決意を迫った。

 そして、7本目となった31日社説。「歴史的な条約合意を歓迎する」と強調し、「政府内の反対論を抑えて禁止に賛成した福田首相の判断を評価したい」と記した。しかし、もちろんこれで終わりではない。「日本は先頭に立ってクラスター爆弾の廃絶運動を率いる決意を示してほしい」として、三つの提言をした。(1)自衛隊が保有するクラスター爆弾の早期の廃棄(2)不発弾処理や保有兵器廃棄、被害者援助への国際協力(3)米国など未加盟国への使用中止の働きかけ--である。

 ◇日経「米中ロも参加を」
 条約採択について31日までに、読売を除く各紙が社説で取り上げた。朝日は「とかく『官僚に近い』と言われる首相だが、今回は国際社会の動向や人道主義の流れなどを踏まえて、政治主導の重みを示して見せた」と福田首相の決断を評価し、「首相の決断の背景に、NGOの地道な活動があったことも忘れてはならない」と指摘した。

 日経は「クラスター弾被害の根絶への一歩」ととらえながらも、米国、中国、ロシアの「大量保有国が条約を支持しないのでは悲惨な事故の根絶は到底望めない」と嘆き、3カ国の条約参加を呼びかけた。東京も「米中ロを説得していく努力が必要だ」として、日本がその主導的役割を果たすよう求めた。

 こうした論調に真っ向から対立するのが産経だ。5月29日の社説は「自国の安全保障にいかなる影響を与えるかを慎重に検討すべきだ。自らの安全を損なうことになれば、将来に大きな禍根を残しかねない」と憂慮を表明した。「日本に侵攻してきた敵」の上陸を食い止める有力な手段はクラスター爆弾以外にないと力説し、韓国、北朝鮮も参加していないため「冷戦状態が色濃く残る北東アジア」で日本だけが保有を制限されるとの懸念を示した。さらに「日本は米軍への支援もできなくなろう」と、条約に反対の立場を鮮明にした。この主張は毎日とは決して相いれないものである。

 対人地雷禁止条約にも米国は参加していないが、イラク戦争で地雷は使わなかった。条約が国際ルールとして定着し、地雷は使えない兵器になってきた。大国が自分たちの思惑だけで世界を動かした時代は変わりつつある。

 「過去の慣行や常識にとらわれず、市民を守る国際規範を編み出す知恵を人間は共有できる」。毎日の社説はそう締めくくる。その人間の営みを息長く取材し、報道し、訴え続けたい。新聞が継続して取り組んでいく大切さを改めて実感する。【論説委員・小泉敬太】

毎日新聞 2008年6月1日 東京朝刊



 また、『読売』紙は他紙に遅れて6/1、『クラスター禁止 安全保障上の代替策を探れ』と題する社説を掲載、『人道的見地による軍縮は必要だが、安全保障を損なうのも困る。・・・条約案の対象外となる目標識別能力付き最新型爆弾は、ピンポイント攻撃には適しているが、広い範囲を攻撃し、「面を制圧する」ことはできない。島国の日本にとって重要な、敵部隊の上陸を阻止する効果は小さいという。完全な代替兵器を探すのは簡単ではない。米軍との防衛協力を含め、戦術面の見直しなども検討する必要があるかも知れない。』と、『産経』紙よりは弱いが反対の姿勢を示している。

 さて、クラスター爆弾と言えば思い出されるのが、先の「イラク空自派遣は違憲」の名古屋高裁判決に対して
『そんなの関係ねぇ』

と言い放ったトンデモ軍人・
田母神空自幕僚長
である。

 彼のクラスター爆弾に対する執着は並ではなく、このような発言をしている。

「クラスター爆弾は防衛に必要」 空幕長が明言
2007年05月26日02時51分

 クラスター爆弾について、防衛省の田母神俊雄(たもがみ・としお)空幕長は25日の定例会見で、「日本は島国で海岸線が長く、クラスター爆弾は防御に有効」と述べ、防衛手段として必要だという考えを示した。

 クラスター爆弾は親爆弾の中に多数の子爆弾を含んでおり、不発の子爆弾が地元の市民に被害を及ぼすと指摘されている。自衛隊では現在、航空自衛隊と陸上自衛隊が保有している。

 日本では、クラスター爆弾を上陸してくる敵を海岸線で防ぐために使うことが想定されている。田母神空幕長は「クラスター爆弾で被害を受けるのは日本国民。国民が爆弾で被害を受けるか、敵国に日本が占領されるか、どちらかを考えた時、防衛手段を持っておくべきだ」と述べた。

 久間防衛相も同日の閣議後会見で、「攻撃されて蹂躙(じゅうりん)されるか、守り抜いた後で不発弾処理をした方がいいか。今の技術レベルだと、私は後者だと思う」と述べた。
(『asahi. com』より引用)



 今回の国際会議の結果を受けての彼の発言は、

クラスター弾廃棄に100億円=「抑止力あるが合意に従う」-田母神空幕長
5月30日18時31分配信 時事通信

 航空自衛隊トップの田母神俊雄航空幕僚長は30日の記者会見で、日本政府のクラスター爆弾の全面禁止への同意を受け、「抑止力のある兵器だが、政府が国益全般を考えて判断したなら、それに従う」と述べた上で、空自保有分はすべて廃棄対象になり、総額約100億円の費用が掛かるとの見通しを示した。
 防衛省によると、自衛隊は対戦車ヘリ搭載用多目的弾(ロケット)など4種類のクラスター爆弾を陸自と空自で保有。数や配備先は明らかになっていないが、陸自保有分も廃棄される。



と、「本当は持っておきたいが、シビリアンコントロールの建前上、政府が廃棄するというならしょうがない」と渋々ながら従う意思を示している。

 それでも未練がましく、「金が100億円かかる」と苦しい反論を試みているが、米軍にかけあって「思いやり予算を5%だけ削らせて下さい」とやれば、100億円など簡単に用意できるはずだ。

 何ならもっと思いやり予算を削って、その分米国のクラスター爆弾を処理してやったら、米国も金使わなくていいし、世界から喜ばれて日本の評価も上がって一石二鳥だと思うのだが。

 それにしても、クラスター爆弾保有に固執する田母神・3Kそして一部の右派連中は、クラスター爆弾で、日本の『何』を守るつもりだというのか?

 田母神の主張するように、空自がクラスター爆弾を使用しようとしているのは、北朝鮮や中国・ロシアなどの『仮想敵国』の本土ではなく、日本の本土に対してだ。

 もっと言えば『仮想敵国』に面している、日本海側の平野部であろう。

 ここに何があるかと言えば、日本の食糧自給率を懸命に下げ止めている『コメ』の一大生産地、他方では、新潟・石川・福井に連なる『原発銀座』(この三県にある原発は、停止中の柏崎刈羽含めて22基!)である。

 空自・陸自はそのようなところにクラスター爆弾を使用し、『地雷原』にしようと本気で考えていたのである。

 (まったく、『』の名に似つかぬ不届き者であるとしか言いようがない!)

 そんな事をしたら、日本国民は深刻な飢餓と放射能汚染、そして不発クラスター弾により爆死する恐怖にさらされて、とても本土防衛どころではないのでは、と紅星は思うのだが・・・。

 大体、仮想敵国が、侵略に対する国際的な非難・孤立や戦争による被害(本土への報復攻撃や兵士の死傷、戦費の増大)を覚悟してまで日本を占領して、一体何をしようというのかも分からない。

 日本が戦争になるとしたら、中台や朝鮮半島の有事に巻き込まれるか、過激な民族主義の台頭からの衝突など政治的なもので、主要都市や工場地帯への爆撃など、経済的・人的被害を与えて国力を低下させる『焦土作戦』が主体となるのではないか?

 日本のような、鉱物資源も天然資源もない、人的資源と経済力だけが取り柄のような国を戦争の結果占領しても、肝心の人材と経済力は灰燼に帰して何の意味も無いと思うのだ。それとも、日本にある金銀宝石や美術品などを略奪しに、わざわざ攻めてくるとでもいうのだろうか?

 どうも紅星には、いくら考えてもその辺がピンと来ないのだ。

 このブログを見た『日本防衛のためにクラスター爆弾は必要だ』と考えておられる諸兄、

①クラスター爆弾を使って自国民を死傷させてでも守るべきものは『何』なのか?

 ②敵国は日本の『何』を狙って占領しに来るのか?

そして、

 ③日本を守るためなら、クラスター爆弾で貴方や貴方の家族が死傷しても本望か?

斯様な『平和ボケ』の紅星に是非教えて欲しい。


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この記事に対するコメント

返信が、おもしろくないのになってごめんなさい


家族で、「アメリカから言われたから買うっちゃろうね~」と、話しています。思いやり予算から処理費用を出してほしいですね。
早く、米軍とは縁を切る政府にしたいですね。

【2008/06/02 23:55】URL | ひとみ #HsoC/3b6[ 編集]

君達、人殺し!強姦魔!強盗!共産党が人類からいなくなったら・・・


クラスター爆弾や地雷や核兵器や軍隊の全廃に大賛成!人殺し支那凶産党やロシアの国家的死の承認どもは知らん顔してるじゃないか?支那凶産党が、チベットやウイグルやスーダンで現在進行形でやっているジェノサイドを、日本凶産党はどう認識してるんだい?いいかげんに返答せよ!

【2008/07/06 16:07】URL | 大日本愛国党 #-[ 編集]


①:自国民と自国民を養う経済
占領されて搾取され、チベットの方々の様に追い詰められるのならばそれ以前で対抗するのが最も効率の良い方法である。
②:相対的な利益の為
例えば経済、侵略国の経済が低迷し同分野のシェアを日本が占めていたとする。そのシェアを排除する一つの手段としての武力行使が予測される。
例えば外交、日本の国境線部には領土問題が山積みと成っており、関係悪化による示威行動が予測される。
…そもそもを言えば、相手が何もしないと信じて軍備を捨てるのでなく。相手が何をしても対応できる程度に軍備を持ち、相互の軍備を削減するのが軍縮の流れでは無いだろうか?
③:本望ですね。
それで日本が守れるならばそれに越した事は無い。
自分の身さえ安全ならば周囲に何が起きても構わないと言うのは自分勝手という奴でしょう。

ま、基本的にはどの様な手段であれ効率的ならば残しておくべきだと思って居るだけです。
実際に使う機会が無いのが一番ですからね。

【2008/11/01 00:22】URL | 通りすがり #SFo5/nok[ 編集]


前半のクラスター爆弾に関する意見はまあいいとして、
最後の①~③とその直前で一気に馬脚をあらわしていませんかね。

まず、チベットを占領することで、中国はなにか経済的メリットを受けていますかね?(国際的批判以上のメリット)。つまり、経済的メリットがデメリットを下回っても侵略はありえます。イスラエルだって、経済的メリットでパレスチナに侵攻しているわけじゃないでしょう。
つまり、自国のメンツや内政への不満を外に向けさせるためや、政権が自分の支持を延命させるために、もしくは歪んだプライドのために侵略は起こりえることです。

①一人の人間を救うために、日本国民全員を殺していい論理もありません。

②上で書いたとおりです。それを言い出せば、 通常あまり考えられない事故に対して、責任を問うことはできなくなりませんか。たとえば最近、個室ビデオ店の放火大量死亡事故ありましたよね。「こんな小さな店で事件を起こす理由がわからない」という理由で、防火体制の整備を怠っていても、あなたのその論理だと責任者の責任を問えなくなりませんか。
リスク管理は常に「最悪を想定して」行うものですよ。最悪を考慮に入れないで行うリスク管理は「手抜き」であって、管理者の責任が強く問われる部分です。
たいていこのてのことをいいだすひとは、自分が相手のリスク管理の甘さによって被害を受けたら「そこまで想定するのが管理する側の責任だろ」って言い出すんですけどね。
災害に対する備えだって同じでしょう?


③どうぞ、そんな回りくどい言い方をせず、
 「1億数千万人の命を犠牲にしてでも、自分の家族が助かればよい」と言えばよいじゃないですか?言っているのはそういうことですよね。

【2008/11/01 09:00】URL | すまり #-[ 編集]

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